2008-05-22

石のように固い意志 ”Zapatista"

サンクリストバル・デ・ラスカサスへ来て4年前に
行けなかったサパティスタ自治区に行ってきました。
この団体はメキシコ政府と戦っている国民が集まる村であり、
このような村がチアパス州に限らずメキシコ国内には
多数存在します。
僕らが行った場所はオベンティックと言う村で、
入り口には必ず見張りが立っていて、男性は目だし帽を被り、
女性は口にバンダナを巻いて立っています。
僕らはその立っていた人達と第一次面接をしました。

この団体は遊びではなく本気でメキシコ政府と戦っている組織で、
僕らなりに数日前から色々と勉強して来ました。
一時面接と言っても「何処から来たか?」「滞在目的は?」
「国籍は?」「どこかの組織に入っているのか?」とか、
簡単なことを質問され、
これに答えて初めて僕らは入り口を通してもらえました。

僕らは入り口を通り小屋の前で少し待たされた後、
覆面を被った男性に呼ばれて部屋の中に入りました。
部屋の中では初めにパスポートを見せ、先ほど聞かれた事と
同じような質問をもう一度され、サインをしてから初めて僕らを
受け入れてくれました。途中スペイン語なので会話が途切れたり
もしたけど、彼らは決して嫌な顔など見せず、
分かりやすく説明し直してくれました。

そして次にもう一度僕らは別の部屋に案内され、
その部屋では現在彼らが戦っているメキシコ政府についての事と、
村内での規則を教えてくれ、僕達からのいくつかの質問も快く
聞いて答えてくれました。
全てここまでに会った人達は男性は目だし帽を被り、
女性はバンダナを口に巻いていて、
村内の人物は絶対に写真を撮ってはいけないと言われました。
しかしここだけなら写真を撮っても良いと言われたので、
緊張する手を抑えながら写真を撮らせてもらいました。
一番上の写真はその時に撮らせてもらった写真です。

初めはもの凄く緊張していたが、スペイン語を話せない僕らに
優しく話しかけてくれたり、目だし帽から覗かせていた目は、
決して屈しない強さのほかに、時々笑った時に優しい瞳を
覗かせてくれました。その後は僕らも緊張がほぐれ村内を散歩
してたくさんの施設の中を覗きながら歩きました。

「僕らは偽善者かもしれない」きっとそうだろう。
ここへ来て何かをするわけでもなく、
ただここの現状を知ることだけだった。
若い時に働いていたJohnJohnの安藤さんがよく言っていた言葉で、
「日本人だから何か出来ることをしよう。」
笠木さんはきっと、ここで彼なりの何かをしていたのだと思う。
僕らは何も出来なかったけど、こう言う場所が現在も存在することを
ぜひみんなにも知ってもらいたい。
帰りの僕らのバスの中は終止無言だった。
本当にある世界が目の前存在していたから。

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